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武蔵野美術大学 諏訪敦研究室展

対流


第1会期 : 2026.8.1(Sat) - 8.11(Tue)

会期中無休 13:00-19:00 最終日は17:00まで

楼 開宇、牧 美紗穂、内原 和之


第2会期 : 2026.8.13(Thu) - 8.22(Sat)

会期中無休 13:00-19:00 最終日は17:00まで

水野 遥介、小林 もえ、久木田 大地


会場:東京都中央区日本橋久松町4-12コスギビル4F 長亭GALLERY

info@changting-gallery.com


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このたび、日本橋・長学ギャラリーにて、武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵科コース・諏訪敦ゼミに所属する6名による展示「対流」を開催いたします。顔料と展色材の物理的な挙動に視覚的な作用を委託する"絵画"という手続きに、いま、ここで立脚することが、社会に対してどのような効力をもちうるのか。各々が取り組む問題系を照らし合わせ考えるためのブラクティスになります。


去年に引き続きゼミ生を2グループに分け、10日間ずつの会期を設定しました。それぞれが自立的にステートメントを標榜し、展示空間を構成します。重要なのは、二項対立的な他者との比較からの脱出を容易にし、なおかつ綿密なダイアログをできる限り保証するための"3人ずつ"であるということです。そうしてつくられる両展示の間には、なにかしらのコンフリクトが発生するかもしれません。容易に妥協点を見出せない事柄に出会えた時こそが有意義な議論を立ち上げる好機であり、また、それでも横たわる共通項が新たな可能性を認識するための兆しとなることを期待しています。


こうした観点のうえでは絵画という現象に向きあう全ての人は制作者・鑑賞者という対立を超えて同じ地半に立っていると言えるのではないでしょうか。我々は、ある様式(=しつらえ)に立ち返ることが閉塞的なことではなく、むしろ無限のスケールを含有できることであると考えています。前半・後半ともに、ぜひご鑑賞ください。


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樓開宇 LOU KAIYU


1999.09 中国浙江省に生まれる

2021.04 武蔵野美術大学油絵学科に進学

2022.12 油絵学科2年進級制作 水上泰財賞

2023.09 油絵学科3年コンクール 小尾修賞/中尾直貴賞

2024.07 世界絵画大賞 クサカベ賞

2025.01 油絵学科卒業制作 優秀賞

2025.07 三雲祥之助賞


私は幼児美術に関わる仕事を携わっている。それをきっかけに、私は普段の制作で子どもの視点や幼少期の記憶を手がかりに、現実と幻想が交差する絵画空間を探求している。おもちゃや身近な空間をモチーフに、絵画と立体、展示空間を組み合わせることで、鑑賞者の視線によって変化する騙し絵の幻想的な世界を構築する。



牧美紗穂 Misaho Maki


2001年 東京生まれ

2022年 武蔵野美術大学 油絵学科油絵専攻入学

2023年 二人展「うたた寝にうってつけの日」:武蔵美芸祭

2024年 三人展「遊覧飛行」:武蔵美芸祭

2025年 三人展「この先半透明」:GALLERY33

2025年 二人展「ここではないどこか遠く」:武蔵美芸祭

2026年 武蔵野美術大学 造形研究科油絵コース 修士課程入学

2026年 グループ展「スクエア展 vol.19」 フリュウ・ギャラリー


主に旅先の風景や見た夢をモチーフに制作している。

旅をしている時や夢を見ている時は、主体性が薄れる。

日常生活では世界に主体的に関わるが、旅や、夢では「私」という輪郭は薄れ、世界との境界が曖昧になる。世界が私を 侵食し、全てが自分 に関係し、同時に全てが関係しなくなる。

すると旅先の何気ない景色が突如異質な風景に見えたり、妙に記憶に残る夢を見たりすることがある。現実として認識していた世界の隙間から、別の世界が顔を覗かせたことに気づく。そこにあるだけの拒絶も容認もすることのない世界は、不可解で不気味であり、美しく魅力的である。

しかしその「別の世界」は、私に気づかれることで、「私の世界」として立ち上がってしまう。

その解釈されてしまった世界を制作を通じて再解釈することで、「私」が見ている現実と異なる世界の気配をとらえることを試みている。



内原和之 UCHIHARA Kazuyuki


1996年 神奈川県生まれ

2026年 武蔵野美術大学油絵学科卒業

現在、武蔵野美術大学大学院油絵コース在籍


あらゆる事象への情報化が進んでいる現代。

誰もが PC やスマホを所持し、盛んなネットワークへのアクセスが更なる情報の解剖を進める中で、自他の境界は曖昧になり、思考と感覚のバランスに偏りが生じやすくなっているように感じます。

このような時代だからこそ、あえて視線を外へ向けず、内省的な営みに没入することは、人間本来の尺度を取り戻し、向かうべき方向へ舵を取ることの一助となりうるのではないかと考えます。

制作は、モチーフを通し、自身を振り返ることから始まります。

拾う、貰う、買う、作る──さまざまな体験や関わりから、引き寄せられるように現在身の回りにあるもの。

馴染みのある場所や旅先で見かけた、何気ない風景。

そうしたプライベートでささやかな事物から自己に向き合うことで、世界を探り続けようとしているように思います。



水野遥介 Yosuke Mizuno


2002年 千葉県生まれ

2024年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻 卒業

2025年 武蔵野美術大学造形研究科美術専攻油絵コース(修士課程) 在籍中

2023 年

グループ展「余人」 uptown koenji gallery/ 高円寺

映画ブルーピリオド 劇中絵画制作 他

2024 年

グループ展 「serendipity」 room_412/ 渋谷 他

2025 年

卒業・修了制作展 優秀賞 武蔵野美術大学/ 小平

グループ展 「FIRST CONTACT」 reijinsha gallery/ 日本橋

個展 「The hollow gaze」 蔦屋書店/ 京都

グループ展「UNLABELED」 アート解放区人形町/人形町 他


私の制作は、「存在がどのような条件のもとで成立するのか」という問いを起点としている。人間は固定された主体ではなく、他者や環境との関係の中で絶えず揺らぎ続ける存在である。とりわけ、睡眠状態にある身体や、日常の中で無意識に行われる動作には、主体性が一時的に希薄になる瞬間が現れているように感じている。

私は人物を描きながら、単に個人を描こうとしているわけではない。人物という形態を通して、存在と不在、意識と無意識、身体と物質のあいだに生じる不安定な状態を探っている。

近年は、眠っている身体だけでなく、かがむ、俯く、歩くといった無意識的な動作の瞬間を撮影し、モチーフとして用いることがある。それらの身体は、個人性や明確な意志を超えて、純粋な「存在の状態」として立ち現れる。

また、無機質な物体をモチーフとしながら、存在が痕跡としてのみ残される瞬間や、他者との関係の中で一時的に立ち現れる感覚を、絵画として捉えようとしている。



小林もえ Kobayashi Moe


2003 静岡県生まれ

2026 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻 卒業

2026 武蔵野美術大学造形研究科美術専攻油絵コース 1年在籍


16年間共に過ごし、1年前に亡くなった愛猫「みい」との記憶を起点に制作を続けてきた。

共に過ごした時間は、喪失を経たことでかえって輪郭を持ち、不在となった今も日々の暮らしの中に静かに残り続けている。私は、その痕跡をたどるように描くことで、失われた時間や家族と積み重ねてきた記憶を見つめ直している。

現在は、愛猫という個人的な存在から視野を広げ、家族や自身の経験、身の回りのことに目を向け、記憶や思考、人と人との関係性について探究を深めている。



久木田大地 Daichi Kukita


2000年生まれ

2021:武蔵野美術大学 油絵学科 入学

2022:SOMPO美術館「FACE2023」入選

2023:銀座三越「ART FAIR GINZA 2023 tagboat×MITSUKOSHI」 GALLERY b. TOKYO「久木田大地 個展『Repetition』」

2024:美術紫水「Original Seven -新しい真摯さ Ver.1-」

+ART GALLERY「ARTS STUDENTS STARS vol.3」


久木田大地は西洋絵画の歴史と技法材料への興味をきっかけに、「現代社会において古典絵画がいかに受容されているか。」という事柄を念頭に置き、名画中のイメージを引用しながら、要素を反復する・ぼかす・組み換えるなどによって視覚的な愉しさを探っている。久木田の制作は美術館のショップに大量に陳列される図録、海外の露店に並べられた色とりどりの名画のフィギュア、インターネットで名画を画像検索した際に等しいイメージが画面を埋め尽くす様子など、生活の中で古典絵画を目にする状況そのものからインスピレーションを得ている。

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