「空から空」
栗原一成
2021.10.16(Sat)-11.4(Thu)
13:00-19:00 月、火休み
会場:東京都中央区日本橋久松町4-12コスギビル4F 長亭GALLERY
入場無料
info@changting-gallery.com
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絵を描いていると、やはり形を捨てることが必要だと思うのです。心底それが出来れば、先入観に惑わされず後腐れない絵が描けるのではないか、そう感じることが最近増えてきました。でもそれは、捨てることばかり考えているわけではなくて、捨てることが形を描くことになり、また逆に、形を描くことが形を捨てることになります。なんのことやら、と思うかもしれませんが、捨てることが同時に生み出すこと、「ない」と「ある」の同時性が起きているということになるのです。それを一言で例えると「無我夢中」といった言葉を思い浮かべますが、そんな簡単にこの言葉をつかっていいのかと、そりゃその通りだけど、そのあと話しがつづいていかない感じが今ひとつな気がします。それから、このような話しを人にすると、それは創造と破壊だね、と言われたりしますが、これもまた、今ひとつな気がするのです。なぜなら、創造と破壊といった言葉を使うときは、まず何かが創造され、そのあと破壊を起こし、そしてまた一から何かが創造され、また破壊される。といった段取りよい繰り返しを、どうしてもイメージしてしまうからです。自分の表現は、そういったものではなくて、創造と破壊といった逆の性質の出来事が、逆であるにもかかわらず、同時に一つとして表裏一体的な運動を起こすこと、そういったことに自分は興味があるのです。
自分が書いた短編小説に、このような言葉を残しました。
「こっちの娑婆はあの極楽に映っているし、あの極楽はこっちの娑婆に映っている。(いいかい、娑婆が極楽に変わったわけではないよ、誰かがそんなことを言っていた)」
なんとも名のつかぬ世界。
無極な体。
そういった境地で生きたいものです。
栗原一成
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作家紹介
栗原一成 Issei Kurihara
1967年 神奈川県横浜市生まれ
1995年 多摩美術大学大学院美術研究科修了
2005年 Gallery Stump Kamakura 共同で設立
2011年 ゲルオルタナ Alternative Space Gell設立
主な展覧会
2001「小林康夫によるセゾン現代美術館コレクション展 筆触のポリティクス」セゾン現代美術館(長野)
2001「第2回セゾン美術家助成プログラム受賞記念展」セゾンアートプログラム・ギャラリー(東京)
2001「かたちを求めて - 11人の日本人作家」釜山市立美術館(韓国)
2002「第17回平行芸術展 桜の花は匂わないか?」エスパスOHARA(東京)
2003「無刀、因果風景」東京画廊+BTAP(東京)
2003「栗原一成個展」ベイスギャラリー(東京)
2008「盲視/Blindsight」東京画廊+BTAP(東京)
2010「Contemporary Art of China and Japan」釜山市立美術館(韓国)
2011「この雨は水ですか」東京画廊+BTAP(東京)
2013「あの影にはかたよりがありません」GALLERYAN ASUKAYAMA(東京)
2015「新・朦朧主義展 第三回」東京画廊+BTAP(北京)
2017「スナック栗原一成」巣鴨小さなカウンター(東京)
2019「こわしながらつくられている つくりながらこわされている」STUDIO ISSEI/ゲルオルタナ(東京)
主な受賞歴
2001 第2回セゾン美術家助成プログラム受賞