
「地元のサンプリング」
阪本結
2021.3.6(Sat)-3.14(Sun)
13:00-19:00 月、火休み
会場:東京都中央区日本橋久松町4-12コスギビル4F 長亭GALLERY
入場無料
info@changting-gallery.com
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私は自身の生活圏で見かけたものを組み合わせて風景画のようなものを描いている。
自身の周辺に見られる要素をサンプリングして絵を作っていると言い換えてもいいかもしれない。
ドローイングやフォトコラージュ、絵画といった作品を、「風景画」として制作している。一般的に風景画というと、ある場所の眺めを切り取っ
たような絵画が想定される。しかし私の風景画のモチベーションは、多くの人が生まれながらに持つ「さみしさ」に起因する。
「 生まれながらにあるさみしさ」とは、感情ではなく、痛みのように生存にかかわる感覚だと考えている。それは自分の輪郭が不確定であることへ
の不安であり、その不安定な輪郭を確かめてくれる他者の不在、外界の不確定さに対する根源的なさみしさである。自身と他者のあいだには明確な
区切りがなく、私はどこまでが「私」かよく分からない。自身の曖昧な輪郭は、周囲の輪郭をたどることによってドーナツの穴のように浮かび上が
るのではないか。そのような興味から私は自身と外界のあいだにある「自身の生活圏=周囲の風景」を考察し、描いている。
風景もまた個々の活動やその痕跡の積層により刻々と変化する、ゆれうごくものである。私は絵を描く過程で線を引く/色を重ねるという行為を
集積していく。それは風景というものを捉えるときに、動き続ける層状の時間を感じるからである。国道沿いの停留所でバスを待っていると目の前
を様々なものがそれぞれの理由で行き来する。道路のシミや落書き、走り去る猫、停車するバスのように私たちの生活環境は様々な事が同時多発す
る。それらが過去の痕跡と並存することで「今」という光景を作り上げている。他者からすれば、私の存在という事象もまた道路の落書きと等しく
風景の構成要素である。そのような考えから、私は風景の成り立ちを「事象と痕跡の層」と解釈し、作品に反映している。線や色といった構成要素
を少しずつ重ねていく手法で「風景が出来上がっていくように」絵をつくれないかと考えているのだ。
日々、揺らぎ続ける自己や周辺を自覚するなかで、私は環境と自己の関係について思考をしている。私は制作をとおして世界を自身の身体感覚の
延長にあるものとして捉えようとしている。また、「全体」として存在する世界を、それを構成する無数の個の存在とその痕跡の層として考えると
き、どのように描きうるか。そのようなことを考えている。
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阪本結 Yui Sakamoto
2018 京都市立芸術大学大学院 美術研究科絵画専攻油画 修了
個展歴
2021 阪本結 個展, 極小美術館, 岐阜
地元のサンプリング, 長亭ギャラリー, 東京
2016 境界線について, 同時代ギャラリー, 京都
2014 hide-and-seek, KUNST ARZT, 京都
グループ展歴
2022 京芸 transmit program 2022, 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA, 京都
みのかもanual 2022—Forest Labo—, みのかも文化の森, 岐阜
アートの今 2022, アートハウスおやべ, 富山
2021 篠田守男と極小美術館の作家たち, アートスペース羅針盤, 東京
企画展・若手の抽象絵画, BnA_WALL / CITAN / 長亭GALLERY, 東京
現代美術の作法, 極小美術館, 岐阜
2020 ファン・デ・ナゴヤ2020 ここにあるということ, 市民ギャラリー矢田, 愛知
2014 RENGE SHOW, MATSUO MEGUMI +VOICE GALLERY pfs/w, 京都
その他
2022 「もぞもぞする現場 – 芸術と障害にかかわるひとたちの、ネットワークづくりのためのアセンブリー」,アトリエみつしま, 京都
亀山トリエンナーレ, 亀山市全域, 三重
京都新鋭選抜展, 京都文化博物館, 京都
2021 はるひ絵画トリエンナーレ2021, 清須市はるひ美術館, 愛知
アートハウスおやべ 現代造形展, アートハウスおやべ, 富山
2020 京都新鋭選抜展, 京都文化博物館, 京都
2019 京都新鋭選抜展, 京都文化博物館, 京都
2016 2016京展, 京都市美術館, 京都
2015 2015京展, 京都市美術館, 京都
受賞
2021 アートハウスおやべ 現代造形展, 特別賞
2018 京都市立芸術大学作品展, 大学院市長賞
2015 2015京展, 館長奨励賞
2011 京都市立芸術大学作品展, 同窓会賞
パブリックコレクション
京都市立芸術大学