
武蔵野美術大学 諏訪敦研究室展
LINGUA FRANCA
First half exhibition : Forma 2025.9.27(Sat) - 10.7(Tue)
会期中無休 13:00-19:00 最終日は17:00まで
早川温人、高橋美紗貴、久木田大地
Second half exhibition : Spazio 2025.10.9(thu) - 10.19(Sun)
会期中無休 13:00-19:00 最終日は17:00まで
古川右京、水野遥介、楼開宇
会場:東京都中央区日本橋久松町4-12コスギビル4F 長亭GALLERY
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【First half exhibition : Forma】
人は事物に対峙するとき、それを分かろうとする。分からないものに恐怖する。乱雑な世界において、対象を言語的に処理する営みはすなわち安心を獲得することでもあり、生存をかけて行使する能力なのである。理解(ことわりをほぐす)や分析(わけてきざむ)という言葉があるように、「分かる」と「分ける」が語源を共にするように、認識主体はまさに、対象から受け取る大量のフラグメントを秩序づけることで表象を構築し、現実として構成している。そのうえで、芸術は「分からない(分けられない)」ことを保持し、そのまま伝達を可能にする場所なのかもしれない。事物への性急なラベリングを避け、根源的な世界の把握から離れないようにするためのプラットフォームであると考えることもできる。
ヒトやモノのあいだを流れる時間をめぐって、複数のレイヤー(たとえば、モチーフからヒト、モチーフから絵画、そしてヒトから絵画)をまたがって思索を行う高橋。水平性を獲得して以降の絵画を強く念頭に置き、システマティックに設えたコードによって、プンクトゥムのようなものの検索を試みる早川。消費社会における古典絵画の受容環境に応答し、絵画の物体的要件をなぞりながらシミュレーションを行うことで今日のアウラの粘性について検討を行う久木田。いずれも、その構造のどこかに分からなさ(分けられなさ)を内包しながら、第三者的な視座を携えて表現形式の考察を行っている。
(久木田 大地)
【Second half exhibition : Spazio】
映像、記憶、身体、空間一ーそれらは、私たちが世界を知覚し自己を位置づけるための根幹的な構成要素です。本展に参加する3名の作家は、それぞれ異なる技法と視点を用いて、こうした構造を絵画という形式のなかで再構成し、現代における「リアリティ」のあり方を探っています。
デジタル空間に見られるバグやレイヤー構造の引用、空間と人物の断片化による不確かな場の創出、生活の痕跡と想の交錯によって生まれるインスタレーション的な絵画空間一ー
それぞれのアプローチは異なりながらも、「視ること」の不完全さや、認識の多層性への意識を共有しています。三者の作品は、視覚や記憶、想像といったフィルターを通して、既知の世界に新たな層を重ね、現実のかたちに静かな揺さぶりをかけます。
ミリタリーの記号性の脱構築、家具や身体の断片を通じた個人的記憶の浮上など、そこには「現実とはなにか」「私たちはこの世界をどのように知覚し、関わっているのか」といった根源的な問いが潜んでいます。現実をひとつの平面としてではなく、重なりやズレを孕んだ層として捉えるその視点は、私たちの「見る」という行為そのものを問い直す契機となるかもしれません。
(水野 遥介)
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早川温人
2001 栃木県生まれ
2022 桐生大学短期大学部アート・デザイン学科 卒業
武蔵野美術大学造形学部油画学科油画専攻 編入
2022 武蔵野美術⼤学油絵学科油絵専攻3年⽣コンクール A コース賞受賞
2022 写実画家育成助成金 一般財団法人 はなう美術振興財団(ホキ美術館内)
2024 早川温人展(Gallery b.Tokyo/中央区京橋)
2024 月刊美術 ネクストブレイク掲載
2024 Idemitsu Art Award2024 入選
2025 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油画コース 在学中
古川右京
2000年 栃木県生まれ
2023年 第3回ARTIST NEW GATE グランプリ
2023年 Dutch Auction ART NOW vol.2 (東京 銀座蔦屋書店)
2023年 第19回 世界絵画大賞展 優秀賞
2024年 古川右京 油彩画展-MOSH-(大阪 あべのハルカス近鉄本店)
2024年 ARTIST NEW GATE-松坂屋セレクションVol’2- (愛知 松坂屋名古屋店)
2024年 EASY DAY(東京 Gallery Seek)
2024年 AWAKE Eve.3 -Contemporary Art-(大阪 阪急メンズ大阪 Contemporary Art Gallery)
2025年 ART@GINZA(東京 ホテルモントレ銀座/春風洞画廊)
2025年 武蔵野美術大学⼤学院造形研究科美術専攻油絵コース 在学中
高橋美紗貴
2001 福島県生まれ
2022第9回未来展美術大学学生支援プログラム(日動画廊/銀座)
2022 武蔵野美術大学油絵学科油絵専攻3年生コンクール諏訪敦賞
2022 写実画家育成助成金 一般財団法人 はなう美術振興財団 奨学生 採択
2024桜花桃李(モノノアハレヲ/福岡)
2024 FIRST CONTACT(REIJINSHA GALLERY/日本橋)
2024静穏-二人展-(フリュウギャラリー/千駄木)
2024 令和5年度 武蔵野美術大学卒業制作 優秀賞
および 三雲祥之助賞 受賞
2025 佐藤国際文化育英財団佐藤美術館奨学生 採択
現在、武蔵野美術大学 大学院造形研究科美術専攻油絵コース在学中
水野遥介
2002年 千葉県生まれ
2024年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科油絵専攻 卒業
2025年 武蔵野美術大学造形研究科美術専攻油絵コース(修士課程) 在籍中
2023年 グループ展「余人」 uptown koenji gallery/高円寺
2024年 グループ展 「serendipity」 room_412/渋谷
二人展 「泳ぎつづける夢」 武蔵野美術大学/小平
2025年 FIRST CONTACT reijinsha gallery/日本橋
個展「The hollow gaze」 蔦屋書店/京都
2023 年 諏訪敦賞
2025 年 優秀賞
2023 年 映画ブルーピリオド 劇中絵画制作
楼開宇ロウカイウ
1999 中国浙江省生まれ
2022 油絵専攻進級制作 水上泰財賞
2023 油絵専攻コンクール 小尾修賞/中尾直貴賞
2024 世界絵画大賞 クサカベ賞
2025 油絵専攻卒業制作 優秀賞
2025 三雲祥之助賞 受賞
2025 武蔵野美術大学 大学院造形研究科美術専攻油絵コース 在学中
久木田大地
2000年シンガポール生まれ神奈川県出身
2023年「FACE2023」(新宿 SOMPO美術館)
KAiRepetition ( Gallery b.Tokyo)
2024年「STRIP」(日本橋 myheirloom)
2025年「周辺・開発・状況一現代美術の事部と地勢一」(広島下瀬美術館)
ほかグループ展多数、共同アトリエの運営なども行う





