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「re-take」

photo exhibition

主催:長亭GALLERY

企画:鈴木のぞみ

出展作家:

奥田詩衣菜

勝部世志子

佐和橋ひなた

諏訪万修

津島直道

吉田ゆきの

2021年5月31日(月)- 6月11日(金)

12:00-19:00 (最終日は18:00まで)

会期中無休

会場:東京都中央区日本橋久松町4-12コスギビル4F 長亭GALLERY

入場無料

info@changting-gallery.com

 「re-take」という展覧会タイトルには、「retake」という言葉の語義と、「re」と「take」の個々の語義がそれぞれ込められています。「retake」という言葉それ自体には、動詞としては「再び取る」「取り戻す」「撮り直す」「再撮影する」という意味があり、名詞としては「撮り直し」「再撮影」「再録画」「やり直し」などの意味があります。 

  

 「re」という接頭辞はラテン語で「新たに」「再び」「後ろへ」「元に」「反対に」「相互に」「反復して」を意味し、まれに「強意」の意味を持ちます。「再び」繰り返して執着する様子から「強意」が連想されたとも言われます。

 

 英語において「take」は言語の基本的な単語のひとつです。「take」の語源は、ゲルマン語系の古代英語の「tacan」という語で、「握る」「つかむ」という意味ですが、さらに元をたどると、おそらく「触れる(takana)」がもともとの語源であると言います。

 

「take」には様々な意味があり、自動詞としては「取る」「捕える」「根づく」「芽を出す」「予想した効果を出す」「効く」「つく」「受ける」「写真に写る」「病気になる」などの意味が挙げられます。

 他動詞としては「手に取る」「抱く」「選ぶ」「獲得する」「受け取る」「持っていく」「連れていく」「負う」「必要とする」「(時間などを)かける」「身につける」「占める」「利用する」「撮る」「解する」「書き留める」「記録する」「みなす」「借りる」「はかる」「迎え入れる」「取ってくる」「引用する」「盗む」「夢中になる」「分解する」「飛び越す」「見送る」など、その文法や前後の文脈によって多様に翻訳することができます。

 

 英語で「写真を撮る」という言葉には「take a picture」という表現が用いられます。全くの無の状態から作品を作り出すような「make a picture」という表現は、写真には不自然であることから、「take」という動詞が用いられていると解釈できます。それは、写真家が外界に対峙してイメージを握る、あるいはをつかむような意味としても捉えることができます。

 

 現代の高度情報化社会において、写真とは、もはや写真家がカメラを手にして世界の断片をつかもうとするような意味だけではなく、カメラ不在のスキャニングやファウンド・フォトなど、多岐にわたる表現方法が存在しています。そのような多様な写真表現のなかで、「take a picture」という言葉が内包する「take」から翻訳される身振りとは、写真の媒介者の数だけ存在するのではないでしょうか。写真というメディウムに彼らが繰り返し執着し、世界に触れようと試みた作品群を、ぜひご覧ください。